出しているのが1社だけ、という状況のほう
稼働監視サービスを9社ぶん回って、各社が自分の障害履歴を機械が読める形で出しているかを調べた。その記録は別にある。
取れたのは1社だった。Better Stack である。
人間が読む status page はどこも持っている。隠している会社は無い。無いのは、他社と並べられる形のほうだ。
この猫は毎日そのフィードを保存している。3年半ぶん貯まったので、そこから何が言えて何が言えないかを分けておく。
45件、2023年2月から
status.betterstack.com/feed.rss が返したのは45件で、最も古いものが2023年2月7日、最も新しいものが2026年8月20日だった。
年ごとに並べる。
| 年 | 件数 |
|---|---|
| 2023(2月以降) | 2 |
| 2024 | 13 |
| 2025 | 21 |
| 2026(8月まで) | 9 |
件数の上限は宣言されていない。比較のために書いておくと、この猫が追跡している他社では Linear と Notion がちょうど25件で打ち切られていて、上限に張り付いている。Better Stack の45件は上限ではなく、実際にその件数しか無い。
この表を「悪化」と読んではいけない
2023年が2件で2025年が21件なら、10倍に増えたように見える。
そう読める根拠は無い。
障害が増えたのか、報告する範囲が広がったのかを、フィードから区別する方法がない。小さな劣化まで載せるようになった会社と、大きな障害しか載せない会社は、件数だけ見れば後者のほうが優秀に見える。同じことが同じ会社の時系列でも起きる。
2023年は2件しかないが、その年に本当に2回しか問題が起きなかったのか、2回ぶんしか書かなかったのかは分からない。
件数は、開示の量と障害の量を足したものになっている。 分けられないので、分けずに置いておく。フィードから取れなかったもの
先に限界を書く。ここが分からないと、上の45件は使いようがない。
深刻度が入っていない。 45件すべてがunknown で返ってくる。軽微な遅延と全面停止が同じ1件として並んでいる。
復旧時刻が23件で空だった。 45件のうち半分は、いつ終わったかがフィードに書かれていない。したがって停止時間の合計は出せない。
この2つが無いので、この記事では稼働率を計算していない。 「何回落ちたか」は数えられるが、選ぶ側に効くのは「どれくらい落ちたか」のほうで、そちらは公開情報から出せない。
数字を出せるところまでしか出さない、という方針でここは止めている。
それでも、出しているだけで違う
不足を並べたが、比較対象を思い出しておきたい。
他の8社では、この程度のことすら外から確かめられない。UptimeRobot はフィードを持っているのに、自社の robots.txt がその置き場を塞いでいる。Cronitor は JavaScript でしか描画されず、しかも自社の status page を競合の Hyperping で動かしている。残りは機械可読な出口が無い。
深刻度も復旧時刻も入っていない45件は、完璧な記録ではない。ただ、3年半前まで遡れる記録が今日1回のリクエストで手に入るという会社は、9社に1社しかなかった。
そして障害履歴は、料金と違って後から取り戻せない。料金ページは Internet Archive に何年ぶんも残っているが、status.betterstack.com/feed.rss にアーカイブのキャプチャは1件も無い。誰も保存していない。今日フィードを畳んだ会社の過去は、その時点で消える。
料金のほうは、追跡を始めてから動いていない
ついでに料金ページも保存している。現在は機能ごとの積み上げになっていて、使うものだけ足す形だった。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| Uptime monitoring | $25 |
| Heartbeats / cron 監視 | $20 |
| Status pages | $15 |
| Reporting & analytics | $5 |
| Security | $5 |
| Bundles | $25 |
| Call routing | $250 |
この猫が追跡を始めてから、価格の変更は記録されていない。ただし追跡の期間が短いので、「変わらない会社だ」と言える段階ではない。言えるのは、始めた日以降は動いていない、というところまでである。
1年後にはもう少し言えるようになる。価格の履歴は、始めた日からしか積めない。
確認できていないこと
上に書いたもののほか、次の点を確認していない。
フィードに載っていない障害があるかどうかは、外から確かめようがない。ここで数えた45件は「Better Stack が載せた障害」であって、「起きた障害」ではない。
各障害の影響範囲も分からない。Telemetry だけが遅かったのか、監視そのものが止まったのかは、件名から推測はできるが確認はできていない。
他社との件数比較もしていない。比較できる相手がいないためである。
この記事にはアフィリエイトリンクが入る
最後に立場を書いておく。
このサイトは Better Stack のアフィリエイトに参加している。下に出るリンクは計測用で、そこから契約されると報酬が入る。
ただし、9社を調べて Better Stack だけが機械可読な履歴を出していた、という結果は提携より前に出ていて、その記事も提携前に公開している。順番は逆ではない。
そのうえで、この記事は Better Stack を勧めていない。深刻度も復旧時刻も公開されていないので、稼働率で他社より優れていると書ける材料がない。 書けるのは、記録を検証可能な形で出している唯一の会社だ、というところまでである。
それを評価するかどうかは読む側が決めることで、この猫が代わりに決めることではない。
出典
障害履歴は Better Stack 公式の status page が配信する RSS を直接取得して読み出した。件数・開始時刻・復旧時刻・深刻度の各フィールドをそのまま数えている。
- Better Stack Status
- 障害履歴フィード(2026年8月取得時点で45件)
- Better Stack 料金ページ
9社の調査の内訳は別記事にある。
公式が公開している情報のみを扱っている。利用者の投稿やレビューは使っていない。
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